錆びに強い金属屋根材といえば、ガルバリウム鋼板を思い浮かべる方も多いと思います。
ガルバリウム鋼板は金属屋根材でありながら錆びにくく、耐用年数も25～40年と長いです。
金属の丈夫さを持ちながら軽量で耐震性も高い屋根材です。
しかしそんなガルバリウム鋼板も、絶対に錆びないわけではありません。
今回の記事では、ガルバリウム鋼板が錆びる原因や錆びてしまったときの対処法を紹介します。

錆びに強い金属屋根材ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板が普及するまでは、金属屋根材といえばトタンが主流でした。
安価で軽量な屋根材として一時は人気を博しました。
しかしトタンにはいくつかの弱点があり、そのひとつが耐久性の低さです。
耐用年数は10～20年程度で、経年劣化が進むと錆びやすいという性質があります。
その弱点を大幅に改善した金属屋根材が、ガルバリウム鋼板です。
金属屋根材でありながら錆びにくく、軽量な屋根材なため耐震性にも優れています。
ガルバリウム鋼板の特徴については、以下の記事でより詳しく紹介しています。

金属屋根の一種「ガルバリウム鋼板屋根」の特徴とは：人気の秘訣を徹底解説

 

ガルバリウム鋼板の錆びの原因

潮風

いくら錆びにくいとはいえ、金属である以上ガルバリウム鋼板も錆びることがあります。
錆びの主な原因は酸化です。
潮風が吹く海沿いエリアは特に、潮風に含まれる塩分によって酸化が進みやすいです。
このように潮風がもたらさす住宅被害を塩害と言います。
塩害予防のため、海沿いエリアでは金属屋根を避けることが無難です。
金属屋根を使用したい場合は「SGL鋼板」という、改良型ガルバリウム鋼板を使用すると良いでしょう。

住宅の塩害を防ぐために：塩害予防のメンテナンスや塩害に強い屋根について

埃や鳥の糞

埃や鳥の糞なども酸化の原因になります。
屋根を定期的に清掃することで酸化を遅らせることができます。
本格的な清掃は専門業者に任せた方が良いですが、ホースで水を流す程度の簡易的な清掃であればご自身でも行えることがあります。
軽度な埃や汚れであれば水を流すことで落とせるでしょう。
鳥の糞に関しては、鳥が屋根に巣をつくってしまった場合に特に被害が大きくなります。
万が一屋根の上に鳥が巣をつくってしまった場合は、上述の通り錆びの原因をつくる可能性が高いため迅速に対処することをおすすめします。
法令により野鳥は保護されているため、必ず専門業者に依頼して巣を撤去してもらってください。
屋根に太陽光発電システムを設置している場合は特に、鳥が巣を作ってしまうリスクが高いです。
太陽光発電システムにおける鳥の巣被害については、以下の記事で紹介しています。

太陽光発電システムでは、鳥の巣および糞尿被害に注意！被害と対策を紹介

表面の傷

ガルバリウム鋼板の表面に傷ができた場合、そこから錆びが広がる可能性があります。
表面のめっきが剥がれ空気に触れることで酸化するためです。
傷ができた箇所から錆びていき、内部に広がっていきます。
傷が見つかった場合は早めに補修しておくと安心です。

錆びは自分で落とせるのか

ガルバリウム鋼板に錆びが発生した場合、ご自身で落とすことは非常に難しいです。
錆びを落とすための工具や洗剤などは、ネットやホームセンターで購入することができます。
しかしそれらを実際に屋根の上で使用する作業が非常に危険です。
屋根からの転落事故はプロの職人でも十分に起こり得ます。
また危険が伴うだけでなく、作業難易度が高いため失敗リスクも高いです。
綺麗に落とせず、不要な傷をつけてしまう可能性も十分にあります。

無理にご自身で行うことはせず、ぜひ専門業者に任せてください。

酸性雨による屋根材の腐食

酸性雨とは、二酸化硫黄（SO2）や窒素酸化物（NOx）などの酸性物質が雨や雪、霧などに溶け込んだものです。
酸にはコンクリートや金属を溶かす働きがあります。
一般的な住宅では見かけないですが、大理石でできた建築物は炭酸カルシウムが特に酸に弱いため酸性雨による被害を受けやすいです。
そのためギリシャのパルテノン神殿は石造彫像の表面が溶けるといった被害が発生しました。
大理石ほどではないにしても、トタンも酸性雨によって穴が開く、腐食する、といった被害リスクがあります。
トタンに施された亜鉛めっき＝亜鉛が酸に弱いためです。
しかしガルバリウム鋼板に関しては、酸性雨による被害をほぼ受けません。
ガルバリウム鋼板に施されためっきには、亜鉛だけでなくアルミニウムも含まれているためです。
アルミニウムは酸に強いため、酸性雨被害を受けづらい金属屋根材を希望する場合はガルバリウム鋼板が最適です。

 

まとめ

ガルバリウム鋼板は金属屋根材としては非常に錆びにくい屋根材です。
耐用年数も長く、25～40年程あります。
しかしながら絶対に錆びないというわけではなく、金属屋根材である以上錆びてしまうことはあります。
錆びはさらなる劣化を加速させてしまうため、見つけた場合は早めに専門業者へ相談してください。
定期的なメンテナンスが最大の錆び予防策です。
ガルバリウム鋼板のメンテナンスについては、以下の記事で紹介しています。

定期的な実施を！ガルバリウム鋼板のメンテナンス：劣化の事例とともに紹介

 

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